君想歌
*遊*
「やったぜ〜!!」

「酒だぁぁ!!」

「綺麗な女だぁぁ!!」


口々に喜びの声を上げる
隊士たち、主には三馬鹿。


彼らを見ながら和泉は
溜め息を吐いた。


だって。
私だって女。

確かに綺麗な女の人と町中で
出会ったら振り向くよ。


変な意味では無く。

あんな格好してみたいって
いうだけ。


「ぷっ。
どうしたんですか?」


笑いをこらえて総司が
覗き込んでくる。


「……今日の宴会、
欠席す「駄目だ」


後ろに立った土方は
相変わらずの仏頂面だ。

襖にもたれる二人を
上から見下ろすと、

「来い」


短く告げ踵を反した。


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