君想歌
*流*
「……で?」


睨みつけてくる吉田に
悠の背を冷たい汗が伝う。


何故高杉さんが頑なに吉田に
会うのを拒み俺に用件を
言うように頼んだのか、
その理由が今分かった。




「桂さんを殺していいの?
それを桂さんが望んでるの?」

桂さんに藩邸に来るように、と
言伝てを頼まれました。


それを言った途端、吉田の
雰囲気がガラリと変わった。


どうやら桂さん、との言葉は
爆弾であったらしい。



和泉さんと居た時の
甘い空気が一瞬で真っ黒な
空気に変わりましたよ……。


「じゃあ先に行っておいてよ。
俺は後から行くから。
それと此方からの言伝てを
伝えておいて。
殺しにいきますからって」



ひぇー!!
チャキっなんて鯉口をきる
音を背後に聞き悠は部屋から
飛び出た。


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