Sweet Room~貴方との時間~【完結】
強さより優しさ
背中から包まれるような温もりを感じながら目覚めた。部屋は明るく、カーテンを閉めずに眠ってしまったらしい。
休みとは言え、いい加減起きないと。でも、この温かさから離れるのは惜しい。
毛布を首まで上げて、反対側に寝返りを打つ。何故か隣にはもう1人、人間がいた。
「キャー!」
「痛てっ」
ベッドの横にあるパーティションが微かに揺れる。ベッドの下には背中を摩りながら座り込む杉山がいた。
「おはようございます、佐伯さん」
「おっ、おはよう」
「気分はどうですか?」
「大丈夫でし」
昨日のことを思い出しながら答えていたせいで、言葉尻をうっかり噛んでしまった。
杉山は普通の顔をしようとしているけれど、それは明らかに笑いを堪えている。
「笑いたければ笑えばいいじゃない」
「すみません。昨日の記憶ありますか?」
記憶の欠片をざっくりとつなぎ合わせて、昨夜の出来事を振り返った。
「所々。私、もう少しここにいてとは言ったけど、泊まってとは言ってないんですけど」
「俺だって、泊まるつもりはありませんでしたよ。佐伯さんがワイシャツをがっしり握っていたんで、動けなかったんです。不可抗力ですから。あ、何もしてませんから」
「わかってるわよ」
髪の毛がぴょこぴょこと跳ねている頭を掻きながら、杉山がパーティションをいろいろな角度から眺め始めた。
休みとは言え、いい加減起きないと。でも、この温かさから離れるのは惜しい。
毛布を首まで上げて、反対側に寝返りを打つ。何故か隣にはもう1人、人間がいた。
「キャー!」
「痛てっ」
ベッドの横にあるパーティションが微かに揺れる。ベッドの下には背中を摩りながら座り込む杉山がいた。
「おはようございます、佐伯さん」
「おっ、おはよう」
「気分はどうですか?」
「大丈夫でし」
昨日のことを思い出しながら答えていたせいで、言葉尻をうっかり噛んでしまった。
杉山は普通の顔をしようとしているけれど、それは明らかに笑いを堪えている。
「笑いたければ笑えばいいじゃない」
「すみません。昨日の記憶ありますか?」
記憶の欠片をざっくりとつなぎ合わせて、昨夜の出来事を振り返った。
「所々。私、もう少しここにいてとは言ったけど、泊まってとは言ってないんですけど」
「俺だって、泊まるつもりはありませんでしたよ。佐伯さんがワイシャツをがっしり握っていたんで、動けなかったんです。不可抗力ですから。あ、何もしてませんから」
「わかってるわよ」
髪の毛がぴょこぴょこと跳ねている頭を掻きながら、杉山がパーティションをいろいろな角度から眺め始めた。