たったひとりの君にだけ
chapter.4



9日振りのオフィスに舞い降りた。


目の前の鉄製の扉にはしめ縄がぶら下がっている。

年が明ける前、退社時には飾っていなかった。
確か、一番最後にオフィスを出る人が設置する決まりになっていたはずだ。

私ならば一年間の解放感で忘れ去った可能性が大だけに、忘れずに任務を果たしたのは誰だろうと褒めたい気持ちでいっぱいだ。
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