冷たい上司の秘密の誘惑
8.何も終わってない
…見られてる?

・・・視線を感じ、そちらを見る。

でも、そこには誰もいなくて。気のせいか。

そう思い、私は持っている書類を持ち直し、また歩いていく。


・・・やっぱり、誰かが見てる。

私はパッと振り返った。

・・・?!!

黒い影が、角に曲がっていくのが見えた。

・・・怖い。そう思った。

体中に鳥肌が立った。

顔は分からなかったけれど、確かに誰かに見られているのは確か。

そう確信した。


なんだか怖くなって、急いで階段を駆け上がり、角を曲がった。


…ドンッ!

バサササ・・・。

誰かとぶつかり、持っていた書類が散乱した。


「悪い、ケガはない?」

「イテテ…いえ、ダイジョウ・・ブ・・・」

私の手を取ってくれた人を見て、言葉を失う。


「久しぶりだな…美穂」

「…篠田部長」
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