つぼみ、ほころぶ
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翌朝、若干寝不足の瞼をマッサージしながら助手席に乗り込む。


車の外では、とてもいい空模様の下、女将さんを筆頭に高級旅館従業員一同のみなさんがあたしたちを送り出してくれてる。


一歩遅れて運転席に乗り込んだユウちゃんと車内で一礼してから、あたしたちは旅館を後にした。


「チイ。女将さんに立派に挨拶してたなあ。偉い偉い」


「これきりの桃源郷だったとしても、ユウちゃんの株を下げないようにと思って」


「良い心がけだ。褒めてやる」


「バーカ」


このまま帰るかどうか少し迷ったけど、ユウちゃんもあたしもなんだかゆっくりしたい気分だったこともあって、ここからは家路ということとなった。
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