マジで恋した5秒後
4秒後
「いつもサボってますので、
今日サボったって痛くも痒くもありません」
ちょっと息が荒くなっただろうか?
ジワジワと嬉しさが込み上げる中答えれば、
平野先輩はやっぱりクスクスと笑って、
「そ?
じゃあこっち来て」
とご自身の左手で私の右手を掴んで階段を上り出す。
私の右手ええええええ!!
ギュッと掴まれたその掌は、きっと手汗が酷い事になっている。
先輩の大きな手はちょっとカサカサしていて、
多分紙を触ってて手荒れしたのかな~なんて思った。
一歩一歩。
足を前へ出す度に胸がドクンと鳴る。
授業が始まりそうな廊下は人気があまりなくて、
それがちょっと救いだった。