恋物語。
story.3

名前



―――――――――…。





「んー…」


あれ…?いつの間に寝ちゃったんだろう…?
っていうか今、何時…?眼鏡、眼鏡…




寝ぼけ眼のまま身体を左右に動かし眼鏡を取ろうと手を伸ばした、その時…



「っ…!?」


何か妙なものに手が触れた。




え!?な、なに…って…!!誰―…!?じゃないっ…井上さん、だ…。




触れたものは、どうやら髪の毛らしく…彼はまだ眠っているようだった。




え、え…!?どうしよう…!?どうすればいいの…!?分かんないよ…っっ




ガバッと起き上がり彼には背を向けて一人、大混乱な私。




って…!ちょ、ちょっと待って…!?私、裸じゃん…っ
ってことは昨日…っっ




昨日起きた出来事をいろいろ思い出そうと確認をしていた、その時…



「きゃ…っ!!」



「もう起きるの?」


突然、後ろから抱き締められ声をかけられた。



「い…井上、さん…っ」



「…さとし」



「え…?」



「昨日はそう…言ってくれたよね…?知沙」



「///…」




言ったような…言ってないような…。




「ねぇ…もう一回呼んでよ。」


朝だというのに…耳元でそう甘く囁かれる。




だめっ…もうこんなの…頭が回らないよ…。




「っ…さっ……聡、さん…っ」



だから私は…彼に従ってしまうんだ。もう彼の言いなり…。




「ふ。…よくできました。」



「っ…!!」


彼は鼻で笑ってそう言うと…私の首筋にキスを落とす。



「知沙…好きだよ。」



「////…っ」



「いつか絶対…言わせてみせる」




その自信は…どこから沸いてくるんだろう…。
だけど…もう私は…――。





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