三日月蜜柑
9歳はなれ









イケメンで、


かっこよくて、


優しくて、







好きになるのは、

そうそう時間はかからなかった。







小さいながら、大人の男性に





恋心を抱いた、小学校高学年のころ。







スイミングスクールのコーチ。













”次はそうだなー、


それじゃナオに泳いでもらおう”





えっ、あたし!!


ほかにもっと上手い人いっぱいいるのに。































”こないだ紀本コーチが、


ナオのこと可愛いって言ってたぞー!”






”おいっ!やめろよ~っ”










えっ、コーチが、あたしのこと

可愛いっていってくれてるの?











小さいながら、期待をしてしまっていた。







何度も何度もときめいて



きゅんきゅん苦しくて、






相手は大の大人なのに、、、















バレンタインに、勇気を出して、


日々


頑張って、頑張って作ったマフラーを




手渡しで渡した。










”コーチ!マフラーつけてくれてますか?”








”つけてるよ~!

今日は違うのだけど、いっつもつけてるよ!”












バレンタインのお返しにくれたのは、


スヌーピーのついた

キャンディーのストラップ。











その時は、コーチにもらえるものなら



なんでも嬉しかった。




すぐに鞄につけた。




歩くたびにスヌーピーがゆれている。













今思えば、結局あたしは



どこまでも、小学生で、







あたしはどこまでも、




子供にしか見られてなかった。











コーチが急にいなくなるとき、




あたしは本当に寂しくて、





携帯はもっていなかったが、



アドレスを教えてもらった。












連絡は一回もしたことはないけど、







コーチ、あのときのマフラー、






今も持っていますか?











< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop