いちごみるくと恋わずらい
♯3 はじめて

♯3


「わああ、咲いたね!」


日曜日。


桜の開花予想はもう少し先だったけど、私と名桜ちゃん、佐伯くん、卯月くんと菊池くんの5人でやって来た公園は、思った以上に綺麗なさくら色に染まっていた。


満開とまではいかずとも、風に揺れた木の枝からひらひらと舞い落ちた花びらが地面さえ鮮やかに色づけている。


「最近暖かかったもんね」


ふわりと笑ってそう言ったのは、菊池くんだ。


学校の外で会うのは初めてだし、こうして一緒の輪にいるのも初めて。


緊張のせいなのか、ドキドキといつもより早く脈うつ心臓に、私はどうしたらいいのかわからなくなっていた。


「お、出店も結構出てるんだな。適当に買ってくるけど、何か食べたいもんある?」

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