あなたを愛する者
第1章 ー夏ー
1.「杏」名前の理由
キーンコーン
カーンコーン……
遠くにチャイムの音がする。
今日も遅刻。
学校近くのコンビニで、焦ることもなく立ち読みするのが、私の毎日。
同じ学校の生徒が、コンビニ前を走り抜ける。
”頑張って~”
そんなふうに思いながら、生徒たちを横目で見てた。
きっと走れば間に合うね。
でも、そんなの面倒。
なんだか毎日かったるくって、正直学校に行くのさえ面倒に思える。
このまま来た道を戻りたい衝動も、こういう気分になるのも毎日のこと。