殺戮都市
アプリ
戦闘が開始されました。キングを破壊して下さい。


今日もそのガイダンスが端末から流れる。


俺はいつからここにいるのか。


何の為にいるのかも分からないまま立ち上がった。


「どうした?迷っているのか?」


そう尋ねられて、俺はどう答えれば良いだろう。


迷っていないはずがない。


こんなおかしな街に連れて来られて、殺し合いの中に身を投じているのだから。


どうしてこんな事になったのだろう……なんて考えるのもバカらしくなるほど、多くの人を殺して、俺自身も殺された。


だけど、まだ死なない。


その秘密は、ここに来た時に配布された端末にある。


この端末が使用者の命とリンクしていて、一度殺されたくらいでは死ねないのだ。


「行きますよ。行けば良いんでしょ。このまま戦っていても、いつか死んでしまうんですからね」


死のシステムに組み込まれた俺達は、それこそ死ぬまで戦わされる。


その意味さえ分からないままに。


確か、この街に来たのは一学期の中間テストが終わった直後。


教室でぼんやりしていた時に、それは起こったんだ。
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