淋しいお月様
淋しい同士で嬉しい
冷たく固まったシェイクをゆっくりゆっくり飲んでいたら、約束の時間になった。

「お待たせしました」

緑に白のボーダーのシャツ姿の、若森さんが現れた。

どこから見ても、大学生だ。

可愛らしい顔つきをしている。女装させたら可愛い女子学生に見えるだろう。

「お話って、何? 私何かしましたっけ……」

私の言葉に、若森さんは周りをキョロキョロ見渡した。

「ここじゃあ、何ですから、ちょっと外に出ませんか」

彼の促しで、私は席を立った。

一体なんなんだろう。暇だからいいけれど。

何を云われるか、皆目検討がつかなかった。

私たちはしばらく歩き、コンビニの前に辿り着いた。

ここなら、誰もいない

お店に出入りするお客も、私たちのことなど、気にも留めない。
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