愛を知る小鳥
5 暗闇が見せるもの
歓迎会を終えてからというもの、職場での距離感が少し縮まったことを美羽は肌で感じていた。あかねはいつの間にかオフの時には「美羽ちゃん」と呼ぶようになり、成田は良きお兄さんとして何かと助けてくれる。佐倉は包み込むような温かさでそれを見守っている感じで、ただ一人百井だけは以前と変わらずなことを除けば、美羽の生活はガラリと色を変えたと言っても過言ではない。
そして何よりも潤の絶対的な存在感に守られているような、そんな不思議な安心感を覚えていた。

これまでバリアを張って決して踏み込ませることのなかった領域に、気がつけば彼らが少しずつ入り込んでいる。そしてそれを不愉快だと思わない自分がいることに美羽自身が一番驚いていた。ちょっとでも越境してこようものなら更に強いバリアを張って踏み込ませないようにしていたような自分が。


人を信じることは怖い。
だから必要以上に入り込まない、入り込ませない。
そうやって自分を守っていくんだ。



…でも本当は? 私は本当にそれを心から望んでいるの?
____そう、それでいい。今までのままで。
____違う、本当はそうじゃない。
どこかで変わりたい、変えて欲しいと願ってる




どっち? 私の心はどっち…?


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