魅惑の果実
第八話 年下くん
次の日の朝、美羽は深々と頭を下げて帰っていった。


お父さんとお母さんの待つ家に。



「何か飲む〜?」

「水」

「オッケー」



美羽を玄関まで見送って、二度寝して起きたら昼になっていた。


美香ちゃんはまだ帰ってきていない。


昨日は彼氏の家に泊まるって言ってたし、帰ってくるのは遅そう。


私と明日香は飲み物を飲みながらソファーでゴロゴロしている。



「っにしてもさぁ、美月に妹がいるなんてマジでビックリしたぁ」

「……妹って言っても母親が違うし、そんな話したことない」



昨日の会話時間で最長記録更新って感じ。


今まで素っ気なく接してきたけど、少しくらい優しくしてあげてもいいのかなって思った。


そう思っても、次また実際会ったら本当に優しく出来るかは謎だけどね。



「実は複雑な家庭だったりする?」

「まぁね。 私のお母さんは小さい頃に出ていって、その数年後にお父さんは再婚。 再婚相手はまさかの浮気相手。 その上子供までつくっちゃってて、半分血の繋がった妹がいるとかマジありえないよね」



人には教養だのマナーだのガミガミとうるさいくせに、他所で子供つくるとかなめてるとしか思えない。


本当、汚い。





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