好きになったわけ
二章 いつかは想い出に
「私と付き合ってくれませんか」
そう彼女は、川崎閑は言った。感想としてはこうだ。
「え…………………………」
呼吸が、時間が止まったかと思った。それほどまでに彼女の告白は衝撃的だった。
しかしこういった展開はちゃんとオチがあるものだ。案の定オチがあった。
「言い方を間違えた。私に『協力』してくれませんか」
「き、協力って何を?」
「部活……部活を作りたいの!」
それはある意味、彼女の一世一代の告白だったのかもしれなかった。
「私、中学の時から自分の部活を作るのが夢だったの。だから高校に入ったら絶対に自分だけの部活を作ろうと思ってて……だけどそう簡単に行かなくて……」
結局、作れなかったんだ。そう彼女は続けた。
部活を作るなんて、まるでドラマの世界だけど、夢を持つことは悪くないと思う。
「だけどね、どうやらこの高校にも部活じゃないけど、同好会を作る機会があるらしいの。二人以上の部員と顧問を一人見つければ同好会としての条件は満たされるの。まあ、もちろんちゃんとした活動内容がなくちゃダメだけど」