もう一度、最初から
*その10*
*****

おかしいな?と思ったのは、しばらく経ってから。

道とか、あんまり詳しくないけど……

コーヒーショップの看板が遠くに見えて、確信に変わる。

「エノキ。道、戻ってない?」

「……気づくの遅い……」

「ええええええ?!」

「朱里さんて、前から思ってたけど天然だよね?」

「いや、無理。その台詞そっくりそのままあんたに、返す!」

本当に、車はどんどん見慣れた町並みを走り抜け、清潔感のある建物の前で停まった。

「……え?ここ…って……」
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