殺戮都市
死の代償
俺と恵梨香さんと中川。


三人で何とか狩野を抑えて殺す事が出来た。


致命傷を受けていた俺の身体を使っていた狩野も、流石に頭を撃ち抜かれては生きていられなかったみたいだ。


戦いに飢えて、味方にまで刃を向けた狩野に二度と身体を支配されるわけにはいかない。


そうは思っているものの……目を覚ました時、すでに狩野に身体を乗っ取られていたらどうしよう。


少しの不安を感じながら、俺は目を覚ました。

















例の一室。


精神をやられてうずくまっている人達は、以前よりも増えて。


俺が俺の身体を動かしていると言うのを、手を握ったり開いたりして確認した。


「俺だ……狩野が出て来てる様子はないな」


念の為に日本刀を取り出してみるけれど、その刃はいつもの色。


狩野が取り出した赤い刃ではなく、とりあえず一安心。


「またここからか。恵梨香さんと合流しないと」


当初の目的とは違ったけれど、松田を殺す事が出来た。


俺の力じゃない。


狩野の力が大きかったけれど。


そして一つ思う事がある。











もしも、俺達が北軍に行くのを少し遅らせていれば、東軍は滅びずに済んだのかなと。
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