生贄七人、ながし雛
3月5日
気がついた時には、私は真っ暗なところにいた。右を見ても、左を見ても真っ暗。
空気がねっとりしていて、身体にまとわりついてくる――そんな気がしてならない。
「……ほ……、し……ほ……」
誰かに名前を呼ばれたような気がした。ぐるぐると周りを見回すけれど、声がどこから聞こえてくるのかわからない。
「どこから声がするんだろう」
……だろう……ろう……ろう……うぅ……。
私のつぶやきが、わんわんと反響して聞こえてくる。真っ暗だからよくわからないけれど、広い空間だと思っていたのに。
「……し……ほ、し……」
それなのに、比奈子の声はどこからともなく響いてくる。声の発生源はどこなのかもよくわからなかった。
「比奈子! どこにいるの?」
なこ……こ……。いるの……るの……の……。
暗闇の中に響く声に返事をしてくれる人なんているはずもない。私は、あてもなく歩き始めた。
空気がねっとりしていて、身体にまとわりついてくる――そんな気がしてならない。
「……ほ……、し……ほ……」
誰かに名前を呼ばれたような気がした。ぐるぐると周りを見回すけれど、声がどこから聞こえてくるのかわからない。
「どこから声がするんだろう」
……だろう……ろう……ろう……うぅ……。
私のつぶやきが、わんわんと反響して聞こえてくる。真っ暗だからよくわからないけれど、広い空間だと思っていたのに。
「……し……ほ、し……」
それなのに、比奈子の声はどこからともなく響いてくる。声の発生源はどこなのかもよくわからなかった。
「比奈子! どこにいるの?」
なこ……こ……。いるの……るの……の……。
暗闇の中に響く声に返事をしてくれる人なんているはずもない。私は、あてもなく歩き始めた。