不器用なシンデレラ
19、今は何もかも忘れて ー 理人side
 取引先で商談が終わると、本田さんと俺のスマホのバイブが同時に鳴った。

 見ると、長谷部さんからのメールが本田さんと俺宛てに来ている。

 メールを開いて読むと、目の前が真っ暗になった。

 雅代さんが交通事故?

 嘘だろ?

「鷹野、報告書は俺が書いておくから、お前は病院に直行しろ」

 本田さんが俺の肩をポンと叩く。

 メールを読んで察したのだろう。

 彼は頭の回転が早くて、余計な事は一切聞かない。

 こういう気遣いは有り難い。

「すみません。ありがとうございます」

 俺は頭を下げると、すぐに表に出てタクシーで病院に向かった。
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