図書館からはじまる
〜10〜



★ ★ ★

そして、一番気になっていたことを聞いた。


「で、逮捕されたやつは?」


「あ、私を含めて2、30人の人が詐欺にあっていたそうで、しかも、偽名を使っていたんです」


実は、少し前からそいつが詐欺師だということは知っていたと話した。



「だって、ずっと俺のこと避けてただろ?」


「あ…」


のっぽさんは、少し困った顔をした。


あの時は本当に辛かった…


好きになっていることに気付いた時だったから…


じいちゃんに感謝だな。


「お金とか返ってこないの?」


「わからないんです」


「弁護士紹介しようか?」


「はい。お願いします」


「わかった。明日にでも知り合いの弁護士に話しておくよ」


「すみません。ありがとうございます」


知り合いの弁護士っていうのも、姉ちゃんの友達で、女性の弁護士だから大丈夫だ。


明日、電話してお願いしよう。



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