初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
1.嵐の始まり

嵐は突然やってくる。


定時で仕事を終わらせ、家に帰って来た私に嵐がやってきた。


「千夏、お見合いしない?」

…はい?
お母さん今何とおっしゃいました?
幻聴でなければ、信じられない言葉が聞こえてきましたが。


黙ったままお母さんを見れば、ニコニコといつもの笑顔で立っている。
うん、いつも通りのお母さんだ。
きっとさっきのあれは、私が疲れていたせいで聞こえたのだ。


そう思い込み、お母さんの横を通り過ぎてリビングへ行こうとしたが、がしっと母に手首を掴まれてしまった。


「今週の日曜日は空けておいてね」

「え⁉︎何で⁉︎」

「だから、お見合いって言ったでしょう?聞いてなかったの?」


あれは幻聴ではなかったんかい!
…って!今はそんなツッコミをいれている場合ではない。

今の私にお見合いをする気なんてさらさらないし、そんな気持ちで会うなんて相手に失礼だろう。

ここは断るしかない。
< 1 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop