イージーラブじゃ愛せない
○ともだちブレイク○

○ともだちブレイク○



あるある三大後悔のひとつだと思う。


――うっかり男友達と寝てしまった――


そんな安直な後悔で目覚めた朝。最初に目に映ったのはものすごく見慣れた男友達、高倉丈二(たかくら じょうじ)の寝顔で。私、柴木胡桃(しばき くるみ)は昨夜の記憶を呼び起こしながら、さてどうしたもんかと途方に暮れる。



えーと、なんだっけ。ああそうだ、私、昨夜このバカにいきなりキスされたんだ。


面倒くさい記憶を辿って行くと、ことの発端は3日前まで遡った。



日本有数の大型インテリアショップで働く私は同じカーテン部門の先輩、成瀬基(なるせ もとい)に『俺さ、柴木のコトずっといいなと思ってたんだよね』の口説き文句と共に食事に誘われた。

成瀬先輩のことは別にどうでも良かった。けど、フレンチをご馳走してくれると言うのは聞き捨てならない。

人に奢られるご飯は美味なり、を信条としてる私としてはこの話、乗らない訳にいかなかった。


なのに、だ。どういう訳か

「あのさ、成瀬さんと食事行かないで欲しいんだけど」

友人の高倉ジョージは私を全力で止めに掛かってきた。
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