紅色に染まる秘密の恋(休筆中)
☆過去のお話です。

過去Ⅰ


今から22年前。

私は城咲家の一人娘として産まれた。


子宝に恵まれなかった両親が

結婚10年目にして授かった私は

『紅色の夕焼け空が染まっていた時に
我が家に産まれてきてくれた天使。』

との理由から

『紅羽』(くれは)と名付けたと

父は私にそう話してくれた。


父…城咲克之(しろさき かつゆき)は

教育系の大学を卒業後

アルバイトで勤めていた

大手学習塾にそのまま就職。

小学校高学年〜中学生担当の講師となり

翌年24歳の時に高校の同級生だった

母の美沙子(みさこ)と結婚した。


父の指導は年々人気と口コミが広がり

30歳の冬に父は

ある公立小学校の関係者の目に止まり

特別非常勤講師の話を持ちかけられた。


教員採用試験不合格の過去があり

学校の教師を諦めていた父は

折角のチャンスと話を受け入れ

学習塾講師を休職して

公立A小学校の特別非常勤講師に就任。

桜咲く春から念願の教壇に立った父は

3年生のクラス担任を任され

ある男子生徒と出会う事となる。


その男子生徒こそが

【武内理貴斗】…《りとさん》だった。


< 48 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop