恋をしようよ、愛し合おうぜ!
29
31日は、クリスティーナの部屋にみんな集合して、年越しそばを食べた。
私があっちに行ってた間、ヒロミちゃんに連絡をしたとき、幸太くんが野田さんに私のことを知らせていたと、そのとき聞かされた。

「俺と幸太とヒロミちゃんはメル友だ」
「そうです。そして野田氏には、“リュベロン”の新キャラモデルになってもらいました」
「ええっ!?」
「これ俺だぜ、俺!」
「・・・カッコいい」
「なんだよ、その疑惑ありげなつぶやきは!俺はカッコいいんだよ!」
「きゃああぁ!分かった、分かったから髪グシャグシャにしないの!」
「後で覚えてろよ」
「う・・・」

思ったとおり、この日がみんな集まれる最後の日になってしまった。
寂しいけど、みんなそれぞれ決めた人生の道を歩まなければならない。
それに、みんなとは、場所を変えてまた会えるんだし。



翌1月1日の元旦は、午後から野田さんの実家へ行った。
正直、ものすごく緊張してたけど、ご両親とお兄さん夫婦、そして彼らの息子くん2人にまで温かく迎えてもらって、涙が出るほど感激した。

九州に住む私の両親のところへは行かなかった。
ついこないだ会ったし。
それにまだ野田さんのことを話していないし。

野田さんに居心地悪い思いをさせたくないから、もうしばらく言わないつもりだ。
でも両親のところに電話して、「あけましておめでとう」の挨拶だけはしておいた。




1月5日の月曜日は、私たち二人とも仕事始めだった。
この日の私のお仕事は、外資系の化粧品メーカーで、マナー研修をさせてもらった。
私が恭子さんと他3名の方と開いたコラボセミナーに参加してくださった方からお声をかけてもらったのがきっかけだ。
アメリカの外資系ということで、英語での接客の仕方や、一番ラインが美しく見える立ち方、お辞儀の仕方といったビジネス的マナーのお話だけじゃなく、日常生活に取り入れたい美意識の養い方、女子力の向上とメイクのつながりについて、そして私が思うコミュニケーション能力についてもお話しさせてもらった。

熱心に聞いてくださった方、メモをたくさんとっていた方。
終了後、しばらく質問攻めに合うほど、美意識と向上心がとても高い方ばかりで、私もすごく嬉しかった。


この日は私の方が1時間早く終わったけど、野田さんとはデパートの出入口のところで落ち合うことになっていた。
そこでいちごとお惣菜数品を買った。
タイマーセットをしておいた炊き立てごはんとお惣菜を食べた後、いちごを食べた。

「誕生日おめでと、なっちゃん」
「ありがとう、真吾くん」
「これおっきいぜ」と野田さんに差し出されたいちごを、そのままパクッと食べた。

「ん・・・おいしー。はい、これは真吾くんに」
「食わせろ」と野田さんは言うと、いちごを持ってる私の手首を掴んで食べて・・・私の指まで舐めてくれた。

こうしてお互い食べさせ合ってるうちに、口移しで食べさせ合って・・・私はベッドへ運び込まれた。
2パックあった高級いちごは、互いのエロモードに火をつける恰好の小道具となり、気づけば全部食べ終えていた。

なんか、デザートというより、メインだったような・・・どっちだろ。


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