とろける小春
落ち込み上等
「ついてないなあ。スキーのストックが松葉杖に変わるなんて、泣くに泣けない」

今日何回目かのため息を吐きながら、ちらり。
腰かけているベッドの脇の松葉杖を見る。
『体重をかけた時に腕が楽だよ』
と教えてもらって、脇に当たる部分に巻いたピンクのタオルの華やかさが恨めしい。
右足のギブスの色の白さが眩しい中、私の心は灰色から黒へのグラデーションを繰り広げている。
痛めた腰や肩の痛みも私の落ち込みをさらに煽り、鬱々。
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