私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
許せないこと。


ーーーーーーPM9:50

「ほらほら、もっと飲みなよ!」


「ちょっとこれ以上は…」


ガヤガヤ、とうるさい居酒屋に何故わたしがいるかと言うと…。


「店長命令だぞおー!」


真っ赤な顔で、すでに出来上がっている
バイト先の店長主催の飲み会に強引に連れてこられたからである。


……本当に帰りたい。


ちらり、と携帯の着信履歴を確認すると
案の定、隼からの着信が大量に入っていた。


(“飲み会だから心配しないで”っと。)


手短にメールを済ませてはぁ、と小さくため息をつく。


「お、きたきた!こっちだぞー!」


入り口の方に、手を振る店長。

酔いのせいかぼんやりと揺れて見えるその人が誰なのか確認しようと目を細める。


「“花房さん”、久しぶり。」



ーーあ。

この声、知ってる。

< 41 / 224 >

この作品をシェア

pagetop