彼に殺されたあたしの体
夜の魔物
気が付けば、鳥の声が聞こえなくなっていた。


また夜が来たのだ。


あたしは昼夜問わず真っ暗な土の中でそのことを理解した。


夜が来たからと言って土の中に変化はない。


けれど、土の外からの音がなくなってしまうというのは、少しさみしい気持ちにさせた。


昼間聴覚を敏感に使っていたため、夜になってもちょっとした物音に気が付くようになっていた。


きっと、視覚障害者の人なんかも聴覚がすぐれているのではないだろうか。


そんな事を思いながら耳を澄ませた。


夜の音は昼間とは違い、静かな音だった。


時々聞こえてくるフクロウの鳴き声。


風が木々を揺らす音。


そして、土の中を小さな虫が這って行く音。
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