彼に殺されたあたしの体
繰り返しの日々
あたしが完全に土の中に埋まってしまったあと、先生の車が遠ざかる音を聞いた。


そしてあたりは再び静寂に包まれる。


ふくろうの鳴き声が切なそうに聞こえてくる。


あたしはしばらくの間なにも考える事ができなかった。


正直、ショックだった。


先生があんなに冷酷でひどい人間だなんて、思っていなかった。


自分が殺された時にだって感じなかった、強い怒りを感じている。


お腹の赤ちゃんと引き裂かれた事実はそれほどまであたしの感情を高ぶらせていた。


どうしてあたしはここにいるんだろう。


今すぐ先生の車を追い、怒りをぶつけてやりたいのに、どうしてあたしは土の中にいるのだろう。
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