彼に殺されたあたしの体
呪い
抜け落ちた記憶を取り戻したあたしは、土の中で激しい嘔吐感に駆られていた。


涙が出るほど気持ちが悪い。


胃がギリギリと締めあげられているようだ。


38人があたしの目の前で死んで行ったんだ。


あんなにも残酷に、顔も体も破損し誰が誰だかわからないような状態で。


あたしはどうしてあんな状況の中平気でいたのだろう。


骨に戻ったあたしは、思い出すだけで存在しない胃が悲鳴をあげているというのに。


でも……。


あたしのこの苦痛はクラスメイトたちが亡くなったせいではないと、わかっていた。


あたしが今苦しいと感じているのは、あの場面を思い出して気持ちが悪くなっているだけにすぎない。


クラスメイトたちが死んだことを悲しいだなんて、微塵にも感じてはいない。


それがわかっていたから、あたしは余計に怖かった。
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