無理矢理繋いだ赤い糸
同窓会



***





割と有名なイタリアンレストランの入口に、ブーケと共にオシャレに飾られたウェルカムボード。
自分の高校の名前と同窓会での貸切、の案内だ。



あの頃じゃ考えられなかったこんなにオシャレなお店も、みんな行き慣れてるんだろうな、って思うと、時の流れを感じて不思議な気持ちになった。


仲が良くて付き合いの続いている友人も数人はいる。
一年に一度会うくらいの友人なら更にもう少しはいるから、全く久しぶりというのは、そのほとんどが男子といったところだろう。



立地や二つ星の有名レストランである事、時間帯を鑑みて、できうる限りのオシャレで参加するように、というのが案内の葉書に書かれていた事だった。
クロークでスプリングコートを預けて店内に入れば、受付でまず一番目の盛り上がり。


当時、ストレートの髪をいつでも一つに結わっていた私の、ゆるふわに掛けられたパーマと下ろした髪だけでも会話の糸口にはなるようだ。




高校を卒業して九年。ほとんどの子が二十七歳。
十年目に大規模な学年全体での同窓会があるので、できればその前に、とのあってないような理由によって開かれた同窓会だった。






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