Sweet Lover
10.How are you?
――翌朝。
私たちは、ピンポーン ピンポーンという。
暴力的な呼び鈴の音に叩き起こされた。
「Shit, fu……」
忌々しそうな口調で、うっかりひとりごちた響哉さんは、瞳を開けるなり私を見て、まるで違う雰囲気で微笑んだ。
「おはよう、マーサ」
その代わりぶりたるや、見事なものだと思うけど。
今絶対に、『クソボケっ!』的なことを、スラング英語で呟こうとしていましたよね?……ち、違うといいんだけど。
響哉さんは逃げる間もない素早さで私の額にキスを落とす。
「まだ寝ているといい」
くしゃりと私の髪を撫でると、響哉さんは昨夜投げつけたケータイを拾って電源を入れた。
「おはよう。
日曜日に呼び鈴で人を叩き落すとは、随分出世したものだな。
ああ。それは誰かがカレンにこの番号を教えたからだよ。すぐに新しいのに変えてくれ。
日曜日は働かない主義なんだ。言ってなかったっけ?
……断る。
それをなんとかするのがお前の仕事だろう? じゃ」
響哉さんはほとんど一方的にそう言うと、電話を切った。
……電源ごと。
私たちは、ピンポーン ピンポーンという。
暴力的な呼び鈴の音に叩き起こされた。
「Shit, fu……」
忌々しそうな口調で、うっかりひとりごちた響哉さんは、瞳を開けるなり私を見て、まるで違う雰囲気で微笑んだ。
「おはよう、マーサ」
その代わりぶりたるや、見事なものだと思うけど。
今絶対に、『クソボケっ!』的なことを、スラング英語で呟こうとしていましたよね?……ち、違うといいんだけど。
響哉さんは逃げる間もない素早さで私の額にキスを落とす。
「まだ寝ているといい」
くしゃりと私の髪を撫でると、響哉さんは昨夜投げつけたケータイを拾って電源を入れた。
「おはよう。
日曜日に呼び鈴で人を叩き落すとは、随分出世したものだな。
ああ。それは誰かがカレンにこの番号を教えたからだよ。すぐに新しいのに変えてくれ。
日曜日は働かない主義なんだ。言ってなかったっけ?
……断る。
それをなんとかするのがお前の仕事だろう? じゃ」
響哉さんはほとんど一方的にそう言うと、電話を切った。
……電源ごと。