コンプレックスさえも愛されて。
はじめての。





「おはよう、沙耶香(さやか)。天気が良くてよかったな!」

待ち合わせ場所にやってきた彬(あきら)さんの笑顔が眩しくて、私は朝からクラクラと眩暈を起こしそうになった。








「ちゃんと眠れたか?」
「…はい…あ、いえ…」
「なんだよー、どっちだよそれ」

彬さんの車の助手席。
はじめてのその位置にドキドキしている私とは裏腹に、彬さんは運転しながらもチラチラと私の方を見てキラキラの笑顔を向けてくる。


その度に私はどうしようもなく恥ずかしくなって、腿の上の手をギュッと握り締めるようにして息を詰める。




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