年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
きみの本音 わたしの本音

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梅雨に入る一歩手前、その日差しはすでに夏を思わせるような強さに変わってきていて、短い春が名残惜しい。

半袖か長袖か、悩むような季節になってきていた。
女の子は上着や小物で調整しやすいけど、男の人はまだスーツの上着を脱げなくて、暑さに耐えるのが大変そうだ。


休日を返上して、平山さんと明日香ちゃんと、多くのメーカーが一堂に会する家具の展示会に行った帰り。
三人で遅い昼食を取ったあと、私だけ会社に戻って来た。

必ず一人は休日出勤している人がいるもので、今日も設計の竹田さんが一人、デスクでうんうん唸っていた。今日出勤しているのは確認して知っていたので、竹田さんのお気に入りのコーヒーショップで買ってきたコーヒーとサンドイッチを空いているところに置くと、やっと顔を上げる。
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