先生とシンデレラ
ミスコン＊第二次審査＊ 心の準備
朝、いつもの様に皆が来るよりも少し早く学校に着いて、靴を履き替えて誰もいない廊下をゆっくりと歩いて教室のドアを開けようと手を掛ける。

ドアを開けながら下にあった目線を前に持っていくと。

「…あ…」

いつも私が付けるはずの電気と暖房。

そして。

いつも
この時間にはいないはずの

人物。

「…おはよう。」

「おはようございます…」

その人は私の方を一切見ずに椅子に座って机に齧りつくように何かを書いていた。

私はゆっくりと、そちらを見ないようにしながら自分の席までいく。

机の上に鞄をおいて、中身を机の中に移し替えていると。

「…社交ダンス、経験あるの」

ゆっくりと先生の方を見ると、先生も私の方を見てて。

目が、合った。

「…っ、」

パッとそらしながら。

「あるわけ、ないじゃないですか。」

先生は少し笑いながら、だよね、と言った。
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