マネー・ドール
袋小路
 二週間後、松永さんが家に来た。
「はじめまして、門田真純です」
真純は、いつもとちょっと違う、薄いピンクのふんわりしたワンピースを着て、メイクも可愛い感じで、俺的には、こういう感じも似合ってるなって、また、ちょっと欲情してしまっていた。
「松永といいます」
ソファに座った松永さんは、部屋を見渡し、新しいオーブンとか、ブランドの食器とか、オシャレなカーテンとかを眺めていた。

「どうぞ」
真純は、お気に入りのリバティのティーセットに紅茶を入れて、朝から作っていたフルーツケーキを出した。
「うん? これ、手作りかな?」
「はい。上手にできたかわからないんですけど……」
松永さんは、意外そうな顔をした。どうやら、俺の彼女なんて、イマドキの、家事なんてできない、バカみたいなギャルかなんかだと思ってたようだ。
「へえ、お菓子なんて作るの」
「お料理、好きなんです」
真純はにっこり笑った。今日のワンピースは、おっぱいも太ももも強調してないけど、やっぱりなんかエロくて、松永さんも、その膨らんだ胸元をちょっと見ていた。

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