初恋も二度目なら
ワインとピザと部長と
「あぁ?照り焼きチキンをピザに乗せることは、アボカドを寿司ネタにするのと同じくらい邪道だ」
「まーたこいつの屁理屈が始まった」

・・・やっぱり部長って、屁理屈こねるタイプだと、弟の悠希さんも思ってるんだ・・・。

私はつい吹き出しそうになったのを、どうにかこらえた。

ただいま私たちは、少なくとも6畳くらいの広さはあるキッチンに集合して、ピザ生地に乗せる具をあれこれ議論している最中だ。

「照り焼きチキンって、とろけるチーズと相性いいから、意外とピザのトッピングに合うのよ~」
「仕上げに刻んだ海苔をかけてもよさそう・・・」
「あら。いいわね、それ!」
「チッ。しゃーねえな」

とブツブツ言ってる部長は、少しむくれた顔をしてはいるものの、実は照り焼きチキンピザを食べてみたいという気持ちに抗えないのかもしれない。
と思ったら、私の顔には自然と笑みが浮かんでいた。

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