夏のわすれもの
Epilogue
あれから2ヶ月が経った。

「伸一郎さんは、いつからあたしを思っていたんですか?」

だいぶ秋らしくなった時、彼女が聞いてきたた。

厳しく照りつけていた太陽は、優しく周りを照らしていた。

高く澄み渡った空は、もうすぐ冬がやってくることを告げていた。

この辺りも落ち葉でいっぱいになるんだろうなと思っていた時、彼女がそんなことを聞いてきた。

「どうしてそんなことを聞くんですか?」

少しだけ、俺は彼女にいたずらをした。

「どうしてって、気になったから…」

君は、覚えているのだろうか?

去年の夏に、君と出会ったこと。

そして、俺は君に恋をしたことを。
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