不機嫌な彼のカミナリ注意報2
5.着信はシベリアンハスキー
  ―――― 5. 着信はシベリアンハスキー

 あれから笹岡さんに皆口さんのことを報告しておいた。
 皆口さんのほうは、私とは営業部で顔を合わせるときに挨拶する程度で、押しかけでお弁当を持って現れることは一切なくなった。

 そうしてしばらく時が経ち、笹岡さんと清瀬さんは無事に仲直りをしたのかもしれない。
 その後どうなったかは、ふたりとそういう話をしていないからわからない。

 清瀬さんとは同じ部にいながら普段からあまり接点がないので、そこは本当に救われている。
 そして、風見さんになにか被害が及んでいる、ということもなさそうだ。

 仕事では、風見さんが塚原さんのフォローにまわることも三月に入ってからなくなったと聞いた。
 やはりうちのチームにはリーダーとして風見さんにいてもらわないと、仕事がうまくまわらないから、以前の形に戻れるのがうれしい。

 だけど恋愛に関しては不安はつきものだ。
 人より恋愛経験値の低い私は、その不安も人より大きいのかもしれない。

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