私の横に居る人
20
次の日、帰る用意で朝からばたついている。

朝食後、麻帆と部屋へ戻ろうとすると、響子先輩がやってきた。

「悠ちゃん、悪いんだけどフロントで清算をお願いできるかな?これがお金。」

私は封筒を渡された。

「荷物を玄関前においてもらったらみんなで積み込むから、その間に各部屋のカギを集めて清算してきて。」

「はい。」

麻帆と部屋へ戻ると、荷物をまとめながら、麻帆に聞かれた。

「結局、智樹先輩とは何もなかったわけ?」

「何もって…。」

私は昨日のキスを思い出して、赤くなった。

「何か秘密にしていることでもある?」

にやりと麻帆が笑う。

そういえば昨日お昼に別れてから、ゆっくりしゃべっていなかった。

帰ってからも、夕食で大騒ぎした後、寝落ちしちゃったっけ。
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