色恋 〜Colorful Loves〜
GOLD - 黄金の雫





《黄金の雫》




―――うん、無理だ。




やっぱ無理だ。



ぜったい無理だ。





もう耐えられない。





死のう。



死んじゃおう。





死んで、夜空のお星さまになろう。







そう決心して、あたしはベランダの手すりによじ登り、腰かけた。






地上15階のマンションのベランダからは、ずいぶん遠くまで見渡せる。




びゅうっと吹き上げてくる、冬の夜の冷たい風。




都会の明るい夜空の下に、数え切れないほどの人工的な明かりが煌めいていた。







―――まあまあ綺麗じゃないの。




これが、あたしの人生の最後の瞬間。




あたしの目に映る最後の景色。






………うん、悪くない。






あたしは妙に清々しい気分で、ゆっくりと宙に身を乗り出した。






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