ハナミツ
*1st- あなたのこと。



それが出会い。




のちのちに
彼は綾瀬さんといい、特殊?な仕事をしている。
らしい。ということを知った。



らしいと、言うのは私が花屋で働いていることを
伝えたら「もしかしたら俺は…あ、いや、何でも……ないです。」

という怪しい返答をしたから。
したからで疑うのも幼稚だけど。

ともかく、綾瀬さんはそれ以来ちょくちょく
この店で会う仲になった。



「こんばんは」




後ろから声がした。
はっとして振り向くと綾瀬さんがいた。

きょうは黒のジャケットにグレーのマフラー。
マスクはいつもしてるから気にしない。






「あ、……綾瀬さん!!こんばんは。」


「おつかれさまです。きょうはお早いですね」


目尻だけ少し下げて笑う笑い方は、
優しい気がする。
マスクで表情があまり見えないからそう感じるのかな


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