私の仕事と結婚
5
「桜井さん。」

そう声をかけられて振り向くと、そこには意外な人が立っていた。

「野崎さん?」

びっくりしていると、かの無愛想電話のユニットバス会社の野崎さんが私に近寄ってきた。

「連絡下さいって言いましたよね?」

「あっ…。」

申し訳ないが、すっかり忘れていた。

「俺の連絡先しか教えてないんですから、桜井さんから連絡してもらわないと、
 デートにも誘えないんですけど。」

私はびっくりし過ぎて、野崎さんの顔を見つめるばかり。

「分かってます?あれからずっと待っていたんですから。」

ちょっとムッとしている野崎さん。

でも…。

「私はそんなお約束してませんけど。」

これはちゃんと伝えておかなきゃ。
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