恋の定義──そして今日も、君を想う──
プロローグ─君のいる世界で、僕は─
気が付けば いつも

僕の隣には 彼女がいた



感情表現が あまり得意でない彼女が

僕の前では 安心しきったように

穏やかに微笑む



いつしか 僕の心は 寝ても覚めても

彼女でいっぱいになって 切なくて

彼女が笑うと 嬉しくて

ずっと そばにいたいと 思ってた



だけど僕は 傷付くのが怖くて

彼女を失うことを 恐れて

たった一言の 短い言葉を

伝えることが できないまま

彼女を 傷付けて

いつしか ズルイ大人になっていた




彼女の瞳に 僕はどう映っているのだろう?

彼女の心に 僕はいるだろうか?

それを確かめることさえ

臆病な僕が 引き留める




もしも願いが叶うのなら

彼女の瞳が 僕しか映さなければ

この世界に 二人きりで いられるのに




“キミがいるから 僕の世界は色付くんだよ”





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