マルボロ・ヒーロー
2.
長時間バスに揺られ、やっと目的地に到着した頃にはもう日が沈みかかっていた。


「すごい田舎だねー。」


スタッフの先輩社員が、辺りを見回しながら言う。


「あれ、この町って確かタカさんの…って、タカさん?」


ん、と振り返ると
ホテルに入ろうとしていた皆が揃って俺を見ていた。


「チェックインしますよー!どこ行くんですか?」

「……散歩。」
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