結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
それぞれのカタチ
あれから数日。

マユとシンヤは再び一緒に暮らし始めた。

お互い仕事で多忙な毎日だが、マユは以前よりも肩の力を抜いて、主婦業と仕事の両立ができるようになったと笑って言った。

その顔はとても穏やかで、シンヤとの暮らしがマユにとって、最高の癒しになっているのではないかと、レナは嬉しく思った。



(よっしゃー!!解禁だー!!)

ユウは弾むように軽い足取りで病院を出ると、その足で事務所へと向かった。

退院後にしばらく通っていたリハビリが、今日で終わった。

ようやく医師からギターを弾いても大丈夫だと許可が下りたのだ。

事務所で社長に挨拶をすると、ユウはバンドメンバーのいるスタジオへと向かった。

(久し振りだな…。)

スタジオのドアを開けると、みんながそこに立っているユウを見て駆け寄って来る。

「ユウ、もう大丈夫なのか?」

「うん。医者からOKが出た。」

「良かったな!!おかえり!」

「心配したんだぞー!!」

みんなはじゃれるようにユウをつつく。

「ごめんな、みんなには心配ばっかりかけて。でももうこの通り、大丈夫だから。」

「最初に言われてたより、ずいぶん早く回復したんだ、ホント良かったな。」

ハヤテがユウの背中を軽く叩く。

タクミはニヤッと笑ってユウを見た。

「それはさぁ、健気でかわいいあーちゃんの、献身愛のおかげだよねぇ、ユウ?」

「まぁ…。」

照れ臭そうに頬をかきながら、ユウはタクミに耳打ちした。

「タクミの結婚式でレナがウエディングドレス着て歩くってのは却下だからな。レナがウエディングドレス着て歩くのは、オレの隣だ。」

ユウの言葉にタクミはニヤリと意味深に笑う。

「ユウ、もしかして…。」

「ああ。」

ユウがうなずくと、タクミが大声で叫ぶ。

「みんなー!!ユウ、結婚するんだってー!!」

「あっ、オイ!!」

ユウが顔を赤くしてあたふたしていると、ハヤテ、リュウ、トモの3人がユウを冷やかし、大騒ぎを始めた。

「ついにユウも覚悟を決めたんだな!!」

「あそこまで彼女に言わせて覚悟決めなきゃ男じゃねえよな!」

「高梨さんのインタビュー、あれって逆プロポーズだったんだろ?」

「違う!プロポーズはちゃんとオレがした!!」

思わず言い返してからハッとしたユウは、また照れて赤くなる。

「なんて言ったんだよ、教えろよー。」

「絶対言わねぇ!!」

「なんだよ、ケチ!!」

「減るもんでもないだろーが!!」

「式はいつなんだ?」

「まさか、もう既に入籍済みとか?!」

みんなはユウの頭をワシャワシャしたり、脇腹をつついたり、ひとしきりユウを冷やかした。

(コイツら面白がりやがって…!!)

「でもまぁ、良かったな!!」

「末長くお幸せにー!!」

「もう嫁さん泣かすなよ!!」

「ユウに飽きたらオレが待ってるってあーちゃんに言っといて!!」

「言うか!!」



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