知りたくなかった本当の気持ち
幸せな私

「なお兄一緒に遊ぼ!」


5才だったこの時の私は、まだまだ無邪気で7才も離れてるなお兄をよく連れだして遊んでいた。



インドア派の彼を外に出すのは、全然罪悪感も無かった。




5才にもなれば、幼稚園で友達はできている。



だけど私の遊び相手はいつもなお兄だった。



理由は単純。



私、秦野 來奈(はたの らいな)は16才になった今でも、兄の秦野奈歩(なお)のことが大好きだからだ。




ずっとずっとこの思いは変わらないのだと思っていた。



親が会社の社長で、生活は少し厳しい雰囲気が漂ってるけど、そこまで支障の出る環境ではないんだって。




それなのにいつからだろう。



現実はそんな甘いものじゃない、そんな風になったのは。



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