【完】一粒の雫がこぼれおちて。
←4粒の雫→





side 和泉蒼空





――眩しい。


起きてから1番最初に考えたのは、そんなこと。



「……眠い。」



平日の朝、僕はいつも通り八時に起きる。


急いで準備をしないと遅刻決定になる時間に起きるのは、ただ単に朝が苦手だから。



「んん……いずみ、くん……?」



と、その時に隣から聞こえた声。



一瞬頭がフリーズしかけたけど、何とか昨日のことを思い出せて、フリーズは免れた。



「おはよぉー……。」


「……はよ。」



まだ寝ぼけている様子の倉橋。



そう、昨日あのまま倉橋は僕の家に泊まった。


僕が誘ったわけでも、向こうが頼んで来たわけでもない。


突然にもコイツが寝オチして、仕方無しにこうなったのだ。





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