私の居場所
9
次の日、朝一番で社長がみんなに颯太の事を正式に話した。

本人不在のままで。

私以外はそういう話が来た段階で、知っていたようだ。

どうも颯太は送迎の件もあるので、私には自分から話すと言ったらしい。

「福山君の送迎がなくなると、ちょっと楽になるんじゃない?」

悦子さんが笑う。

「そうですね。朝の5分の余裕は大きく違いますからね。」

私は普通に笑えているだろうか。

私はいつものように事務をこなす。

工場から誰かが入ってくると、つい思い出す。

「どうした?」

そう言って、私が困っている時に入ってくる颯太の姿を。

敏さんが今日はファイルを差し出す。

「園美ちゃん、そろそろ材料の発注をしてもらおうか。」

「はい、いつもの分量で良かったですか?」

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