猫の恩返し
☆新しい生活☆
「今日から、ここがお前の部屋だから」


「こ…こ?」


ナツを好きだと自覚した途端、彼女のことを異性にしか見られなくなってしまった

1Rの小さな部屋では、何をしててもすぐ傍にナツの体温を感じてしまい、精神的に参ってしまった俺がたどり着いた結論が『引っ越し』

仕事を調整して休暇を取り、自分1人で勝手に決めてしまった場所

前の部屋よりも今の職場に近く、朝起きる時間を少し遅く出来る

部屋も3LDKで、俺とナツの生活空間を切り離すことにした


「何で…突然………」


朝、まとめた荷物を車の後ろに乗せ、何往復かしただけで引っ越しが完了したんだから、何も知らないナツには意味が分からなかっただろう


「前々から決めてた。シングルベッドに2人で寝てたのも、いい加減しんどかったしな」


「………私…邪魔だった?」


「邪魔なわけねーだろ。家自体が狭かったから、ちょうどいいんだよ」


そんな言い訳をしてみる
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